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【グリーフことのは】④身体的変化

前回は8つのグリーフの局面の中から、「不安、パニック、恐怖感」についてお話しましたが、今回は、「身体的変化」ついてお伝えします。
悲嘆による心の苦痛は体の変化として、驚くほど顕著に表れることがあります。喪失体験に対して身体がどのように反応するかについて説明していきます。

英語の「grievous=悲観させる、嘆かわしいなど」という意味の形容詞には、「生理的、あるいは身体的な苦痛を生じさせる」という意味があります。その言葉が表すように、グリーフプロセスにおいて身体は苦痛を感じるだけでなく、生理的な変化を起こすことさえあります。元来、私たちの身体はストレスに適応できるようになっていますが、喪失に対してのストレスとはその機能を上回る場合があります。

喪失に対しての生理反応の中で最も一般的なものの一つとして、睡眠に関する問題があります。夜寝ようと思ってもなかなか眠りに入れない人も多くいることでしょう。その一方で、朝は早く目が覚め、その後もう一度眠ろうと思ってもなかなか眠れないという人も多く見られます。
本来、睡眠とは自制から自分を解放することを意味します。つまり、起きている間ならば自分で統制の取れる身体的なコントロールを失うということです。

大切な人を喪った人の中には、徹夜を続けて何とか自分を保とうとする人もいます。大切な人を喪った上に、睡眠によって自分の身体をコントロールする能力まで失ってしまうと、「もうこれ以上何も失いたくない!」という喪失の恐怖が心に根付くことがあるからです。その結果、睡眠という行為によって身体をコントロールする力を失うことに恐怖を感じ、眠るという単純かつ不可欠な行動が妨げられます。
また、睡眠を拒否する人の中には、「亡くなった人が生き返って戻ってきてくれた時に、その機会を逃したくないから眠りたくない。もし眠ったら、本当に二度と会えなくなるかもしれない」と話す人もいます。
このような話をすること自体は、『探索、思慕』の一つの現れ方なので、自然なことだと言えます。

打ちひしがれるほど痛々しい思いや感情に伴う恐怖感などは、夢の中で表現されることが多く、そして、その夢が原因で睡眠障害に陥る人がいます。その夢を悪夢と表現することは簡単です。しかし、あくまでもこれはグリーフプロセスの中で起こりうる一時的な表現方法にすぎません。


愛する人を亡くしたときに、私たちの身体が起こす変化の代表的なものとして、睡眠障害のほかにも、「筋肉痛」、「息切れ」、「空腹感」、「のどの閉塞感」、「胸の息苦しさ」、「消化不良」、「過敏性鼻炎」、「動悸」、「めまい」、「頭痛」、「アレルギー反応」、「食欲の変化」、「体重の増減」、「いらいら感」、「全身におよぶ緊張」などがあります。心が大きなストレスを感じていることを、体が伝えようとしているのです。

身体が不調を訴えているときには、自分自身のケアが重要になります。グリーフがもたらすストレスは、本来備わっている人の免疫力を抑制してしまいます。しかし、自分の身体の症状にたいして過剰反応することはありません。体に必要な栄養と休息を与え、そして適度の運動を行うことによって、それらの一時的な症状は治まり、心とともに体も元気になっていきます。

ただし、持病がある方は、医師に見てもらうことを勧めます。特に大切な人の死から2ヶ月以内に検診を受けることで、起きている身体の変化が、
『ストレスを受けた心がそのことを知らせようとして発している声』
なのか、
『本当の病気の症状』
なのか、判別できることでしょう。

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