前回は8つのグリーフの局面の中から、「不安、パニック、恐怖感」についてお話しましたが、今回は、それらに対する実践的なセルフケアについてお伝えします。
③ 不安、パニック、恐怖感 Ⅱ
[自分に対するケアを確認するために]
紙を用意し、そこに、不安、パニック、恐怖感に関連して思ったこと、体験したこと、そしてどのようなことをしてきたかを書いてください。それらは、自分が自分のケアのためにどのようなことをしているのかを理解し、整理する上でとても大きな助けとなるはずです。
[セルフケアのガイドライン]
あなたがグリーフの不安、パニック、恐怖感の局面を体験しているとしたら、あなたを理解し、支えてくれる人に話を聞いてもらう必要があります。もし話をせずに、心の中に仕舞い込んでふたをしたら、不安感や恐怖感はさらに大きくなるだけです。先ほど、紙に不安、パニック、恐怖感に関連したことを書いていただきましたが、一緒にこの作業を行い、その過程で話したくなることを傾聴して、共感してくれる信頼できる友人やカウンセラーが必要です。
一つだけ言えることは、「どんな状況にあっても、自分の思いや気持ちを表出せずにグリーフプロセスを進めていくことはできない」ということです。話をしないため、顔などの表情に出さないようにするために、多くの人は、人から、そして世間、社会、世界から引きこもってしまいます。自ら自宅の中に引きこもってしまうのです。これらの感情にふたをしても、その結果は、その感情にすっかりとコントロールされてしまう自分がいるということです。自分一人で結論を出さずに、偏見をもたずにあなたの話を聞き、共感してくれる人を見つけてください。そして、思ったこと、感じたことを話してください。
そこで、以下の質問を自分にしてみてください。(1)「不安、パニック、恐怖感を抱いたときに、その感情等を話す人がいますか」(2)「それらの感情に対して具体的にどのようにしていますか?何をしてきましたか?」この2つの質問の答えを先ほど使った紙に書き加えてみてください。
自分自身を理解し整理していくことはとても大切なことです。