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【橋爪謙一郎ブログ】子供たちと「生」と「死」について探求しました。(東京コミュニティスクール)

4月4日(金)、以前より交流のある東京コミュニティスクールの久保さんと安松さんから、知の探求プログラムの一環として、6週間かけて実施する授業の中で、「私たちが生きることの意味を感じることができること」を子供たちと一緒に真剣に考える機会を作りたいと言う依頼を受けました。

打ち合わせを通じて、「小学生にどのように死と向き合うことを考えさせればいいのか?」、「遺された人々の悲しみとはどのようなものか?」などを伝えてゆけばいいのか正直、とても悩みました。
大人でも難しいことなのだから、子供だと更に難しいのではないかと考えました。

しかし、難しいことに挑戦するのだから、あるがままに子供たちと接してみよう、本を読めば判るような知識を提供するのではなく、僕自身の人生、僕の思いをそのまま、彼らにぶつけてみたら、彼らが真剣に考えるきっかけになるのではないかと考え、90分の授業を4回受け持つことを了承しました。

学校側が「探究課題」として位置づけたものは、以下の5点でした。

Ⅰ.死んでいるとはどういう状態なのか?
Ⅱ.生きているとはどういう状態なのか?
Ⅲ.死ぬこととはどういうことなのか?
Ⅳ.生きることとはどういうことなのか?
Ⅴ.私たちはどう生きるのか?

この5点の課題を彼らが真剣に向き合い、考える為に、以下の5点を僕自身は提供することにしました。

① 大切な人を亡くした時にどんな感情がこみ上げてくるか?(グリーフについて)
② 頭で考えるのではなく、感情を体験できる機会をつくる。(入棺体験、旅支度等)
③ 余命1年だとしたら…何をする?
④ 好きなこと&やりがいを感じることを見つける。
⑤ 自分の人生をどのように作り上げる?

実際、第1回目の授業は、子供たちは、『「死」についての話』や『大切な人を亡くした時にご遺族はどんな風になるかについての話』色々な方向から子供たちの興味を刺激することを心がけ、臨んでいました。実に、その時間は、90分です。子供たちは、そんなに長い時間真剣に話を聞いてくれました。
それだけでも、大感激です。

話を伝える中で、僕自身が常に心がけていることは、僕自身の思い込みや知識を押し付けないようにすると言うことです。
これは、今回だけでなく、常にそう心がけているのですが、知識や思いの押し付けは聞いている人のやる気を無くすだけでなく、面白くないと思っているので、このように気をつけています。

押し付けないように気をつけると同時に、一人ひとりの子供達の考え方や感じ方を僕が教えて貰うと言うことに集中しました。僕にとっての答えは、僕にとっての正しさであり、僕にとって価値のあるものなのですから、僕の言葉はあくまでも、彼らが考える上での「ヒント」、「きっかけ」であろうと常に考えました。

そうすると、しだいに子供たちの方から口を開き始め、「意見」を言い始めたり、さらに大人だと思いつかないような視点からの質問をしてくれたりするようになりました。

第2回目は、「ご遺体役のクラスメイト」に経帷子(キョウカタビラ)を着せてあげ、ご納棺をしてあげることで体験学習をしてもらいました。最初はとてもぎこちなく怖々やっていたのですが、その意味を自分で感じ取り、言葉にはならないところも多々あったのですが、この授業を境に子供たちの中で、確実に何かが動き始めたように感じます。そして、学校の先生達も、頭だけでなく、自らがお棺の中に入りその中の感触を肌で味わうことによって、多くのことを感じてくれたと思います。

子供たちは、あのまま「棺から出てこられなかった」としたら、どんな風に感じたかをこの体験を基に自分の言葉で表現し、非常に深いところで感じ取っていたように思います。

第3回目は、授業参観の日に実施しました。僕自身の好きな本の一つである「余命一年…だとしたら」(スティーブン・レヴァイン著)を一つのモデルとして、親子で、生きること、最後まで生きることを一緒に考えてもらいました。
子供の人生が始まった所~現在~そして亡くなる時までという流れを一緒に考えてもらう事を様々な質問を問いかけながら進めてゆきました。
子供が生まれた時にどんなだったかを両親に聞く所から始めました。
「自分が生まれた時、お父さんやお母さんがどう感じていたのか?」
「どんな感情を持ったのか?」と言うような問いかけをしました。

家族と一緒にしたいことは何?
後1年しか生きられないとしたら、何をしたい?
どこに行きたい?
どんなものを食べたい?
と問いかけをしながら、一人ひとりの感性から出てくる言葉、思いが出てくるのをひたすら待ちました。

最後は僕の好きな言葉を朗読し、大切な人と一緒にいること、その時に愛をしっかり伝えること、ありがとうと伝えることが本当に幸せなことで、そのチャンスを是非生かして欲しいということを子供たちとご両親に伝えました。

第4回は、僕の最後の授業です。
今回は、子供たちに思う存分自分達の思いを表現してもらうことに集中しました。
自分らしく生きてゆくために何が必要なのか?
自分がやりたいことを実現する為に必要なことは何なのか?
どんな時楽しい?
こんな問いかけをし続けました。
これまでは、積極的に話をしなかった子もすごく楽しそうに答えてくれました。
気づいた時には、ホワイトボードは子供たちの思いで一杯に…
その中から、自分が楽しい時、やりがいを感じる時のBest3をあげてもらいました。

6週間にわたるプロジェクトの中で、4回しか子供たちと直接接することができなかったのですが、
目に見えて成長していくことを感じました。
子供たち、そして、準備をしてくれた東京コミュニティスクールのスタッフの方々、棺の提供をしてくれた鈴木葬儀社の鈴木社長本当にありがとうございました。

今回の研修を通じて、小学生の子供だけでなく、中学生、高校生、大学生、就職を前にした大学4年生、社会人などに対しても役に立てることに気づきました。

自分を成長させ、会社を成長させ、仲間を巻き込んで、このような機会をどんどん提供していきます。
死を見つめることによって、すごく沢山の気付きを提供できるのです。そんな機会を求めている企業、学校の担当者の方、ジーエスアイにご連絡下さい。

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