今回はエンバーマーについてお話しいたします。
「橋爪謙一郎ブログ」内ではアメリカでのエンバーマー資格取得の過程を紹介してきましたが、ここでは日本のエンバーマー資格について説明したいと思います。
エンバーマーの現状
近年、雑誌やメディア等の一般の情報からエンバーミングの話題や、エンバーマーの資格についての問い合わせが増えています。海外資格取得者と合わせて、昨年秋までに51名の日本人エンバーマーが誕生しております。資格の取得については、国内2箇所のIFSA認定の養成校に通う場合と海外の葬儀学校へ留学する方法があります。しかし海外でインターンを終えることは、労働ビザの取得が困難な為、たとえ葬祭学校を卒業してもエンバーマーの資格が得られない事が多いようです。
日本のエンバーマー養成施設
現在国内の養成校は神奈川県平塚市と大阪にあり、2年間の全日制に通うことになります。在校生、OBとしては女性の割合が多く、前職のある方では、葬儀関連業、看護師、臨床検査技師が多く見受けられます。入学から6ヶ月は、実際の施術に入る前に座学として、IFSA(日本遺体衛生保全協会)認定のスーパーバイザーや、医学部講師の下で必要な知識、教養、心得を学びます。技術内容だけでなく、葬祭業務の知識、マナー、コミュニケーション、グリーフケアも授業の一環として含まれています(詳細:下図)。

座学終了後に各科目の筆記試験を合格するとエンバーマーの指導の下での、基礎実習を半年(50件以上)行うことになります。その後、実習試験に合格すると2年目からはアソシエイト(準エンバーマー)の資格を得て、研修を1年間(100件以上)行います。この2年間の過程を修了して、IFSA公認のエンバーマー資格試験(筆記、面接)を無事合格すると、エンバーマーの資格が得られます(国家資格ではありません)。不合格になることもあり、年々試験のレベルも厳しくなっています。
エンバーマーが志すもの
私達日本人エンバーマーは歴史も浅く、公に認知されるにはまだ先であることから、施術を目的とするだけではなく、国内エンバーミングの将来を担い、普及に努めることも求められていると考えます。より良いお別れの場を提供できるエンバーミングとは何か、ご遺族、葬儀関係者のご要望に応えられるものは何かを考え、常に皆様に満足できるサポートを続けていきたいと思っています。
エンバーミング養成校ご案内 (IFSAウェブサイト内:http://www.embalming.jp/html/06-3-1.html)